交通事故

交通事故によるケガや後遺障害の賠償金を増額するために

交通事故によるケガや後遺障害の賠償金を増やすために

交通事故でケガを負ってしまい、後遺障害が残ってしまった場合に、加害者の保険会社から損害賠償金を少しでも多く手に入れるには、どのようなことが必要なのか、また、何をすればよいのかを、このコラムでは説明します。

1.すぐに医師の診察を受ける

交通事故に遭ったらすぐ、1週間以内には病院に通院して医師の診断を受け、また、検査を受けてください。その後も、担当医からこれ以上回復しないと言われるまで、1か月以内の間隔で通院しましょう。

こうすることで、交通事故が、ケガや後遺症の原因であることを明らかにでき、後遺障害の認定を受けるための前提条件をクリアできます。

後遺障害の認定を受けると、後遺障害についての慰謝料と、後遺障害が原因で将来手に入れられたはずだったのに手に入れられなくなると予測される収入である「逸失利益」を、損害として請求できるようになるため、賠償金の金額が増えるのです。

後遺障害等級認定の請求方法には、事前認定と被害者請求という二つの方法があります。

事前認定は、加害者側の任意保険会社が、ほとんどの書類を集めて手続をするものです。

被害者請求は、被害者側でほとんどの書類を集めて、自ら手続をする必要があります。

(1)事故から1週間以内に医師の診察を受ける

交通事故に遭ってケガを負ったなら、できるだけ早く医師の診察を受けてください。

どんなに長くても、交通事故から1週間以内には、必ず医師の診察を受けて、交通事故によりケガをしたという診断をもらってください。
1週間以上の間隔が開いてしまうと、その間に、交通事故以外の原因により、ケガをしたと疑われてしまいます。

交通事故によるケガでは、事故から数日経過してから痛みが出ることが珍しくありませんが、その場合は、ほとんど時間の余裕がありません。

痛みやしびれなど、身体に違和感があったら、すぐに病院に駆け込んでください。

(2)出来る限り早くに検査を受ける

交通事故直後の診察では、検査を受けることも大切です。

ケガや症状の有無や重さが問題になってから精密検査をしても、事故から時間が経っていると、検査結果の内容が不十分なものになりがちですし、検査結果で分かった症状が、交通事故によるものだと言いづらくなります。

たとえば、むち打ちでは、骨折のようにレントゲンに写るものではありません。

MRI検査や、その他専門的な精密検査を、事故直後に受けておく必要性が高いのです。

(3)通院中は1か月より短い間隔で

通院の間隔が空きすぎた場合、具体的には、1か月より長くなってしまった場合も、それ以降の症状が交通事故以外の原因によるものとされてしまうおそれがあります。

また、症状が固定するまでの期間が不正確になり、後遺障害の認定で不利になりかねません。

2.カルテや診断書の作成

担当医がカルテや診断書に記載したケガや症状の内容、治療の経過などは、後遺障害の認定で最も重視されるものです。

担当医には細かいことでも気にせずしっかりと、体のどこがどのように痛むのかなどの症状を、具体的に説明しましょう。

診断書を担当医から渡されたら、必ず内容をチェックして、担当医に内容を確認し、修正してもらえるのなら修正を依頼しましょう。

(1)担当医に症状を具体的に伝える

どんなに些細なことでも構いません。

通院中は、担当医にあなたが感じている痛みやしびれなどの症状を事細かに伝えてください。

後遺障害の認定で、そもそも後遺症があると言えるのかを認定してもらうためには、「同じ体の部位に」「同じような症状が」「交通事故以来ずっと継続している」ことが、重要なポイントになります。

診察中に担当医に症状を伝えるだけでなく、出来る限り、カルテに記録をしてもらうようにお願いしましょう。

カルテは医師が患者の症状について記録する専門的な書類ですから、証拠として非常に重要です。

(2)診断書の確認と修正の依頼

医師から診断書を渡されたら、必ずその場で内容を確認してください。
気になる記載があれば、担当医にその記載について説明をお願いし、出来れば、必要に応じて修正をしてもらいましょう。

診断書は、交通事故以来の診療や検査の結果の総まとめとして、担当医が医学上の専門的知識に基づいて作成する、手続上最も重要な書類です。

後遺障害等級認定の手続は、提出された書類だけで審査が行われます。
ですから、最重要書類である診断書が、後遺障害に当たるかどうかや等級の認定について、一番の決め手になることがほとんどです。

それだけに、診断書の内容には神経を使いましょう。

担当医も専門家ですから、あまりにも不適切なことを書くことは少ないでしょう。しかし、医師は非常に多忙です。どうしても、記載漏れや間違いは生じることがあります。
また、通院中のコミュニケーション不足などから、被害者の方の訴えが診断書に十分反映されない可能性もあります。

長くお世話になった、しかも専門家である担当医の方が作成した診断書について、質問をし、または修正をお願いすることは、気が引けることはわかります。

それでも、診断書のわずかな内容次第で後遺障害の認定、さらには、損害賠償金の金額が大きく上下してしまう可能性があるのですから、勇気を出して、少しだけでも、診断書の確認や修正をしましょう

なお、通常の診断書は、ほとんどの場合は、加害者側の任意保険会社に直接送付されてしまうので、あらかじめ医師に事前確認をしたいと伝えていても、被害者の方ご自身で確認できるとは限りません。

もっとも、後遺障害等級認定で最も重視される「後遺障害診断書」は、被害者の方自身で取得することになります。上記のとおり、しっかりと確認してください。

3.交通事故の現場状況や内容を警察に伝える

交通事故直後、ともかくスマホや何かの紙でもいいですから、現場の状況や、事故の内容、加害者や目撃者の発言を記録しましょう。

警察の現場検証には必ず立ち会ってください。病院への通院と同じようにできる限り早くにです。

交通事故の内容により、過失割合が決められます。実際よりも被害者の方の過失が大きいとされてしまうと、請求できる金額が減ってしまいます。

過失の判断基準になる注意義務は、法律が厳しく義務付けているため、追突事故など一部の極端な場合を除いて、被害者の方にも過失が認められてしまいがちです。

過失割合は、無数の裁判所の判決をもとに多くの類型に分けられています。

しかし、事故の内容によっては、どの類型に当たるのかなどについて争いになることがあります。

(1)警察の現場検証には立ち会う

警察の現場検証に立ち会って、警察官に、交通事故のときの自動車の動きや周囲の状況などを具体的に証言しましょう。

加害者や目撃者、さらに、警察官が、ご自身の記憶と違うことを言っていたら、かならず反論しましょう。

事故直後に立ち合いが出来なくても、出来る限り早くに再度現場検証をしてもらって立ち合いをしてください。

警察は、交通事故があると、事故の状況を確認する現場検証を行います。そして、ケガ人がいる「人身事故」の場合に限り、事故現場の計測や証言に基づいて交通事故の内容を具体的に記録し証明する「実況見分調書」を作成します。

実況見分調書は、過失割合を証明する証拠として大きな意味を持つのです。

(2)現場検証で十分な説明をする必要性

現場検証に立ち会わなかったとき、または、加害者や警察官の言いなりになって証言をしてしまい、実際よりも被害者の方の過失が大きかったと記載されてしまうと、請求できる損害賠償金が不当に減少してしまうおそれがあります。

事故直後は謝り倒していた加害者が、警察が来ると自分は悪くないと言い出すこともありますし、また、目撃者も最初から最後まで目撃していることは少なく、わずかな時間の間になにが起きたかを理解しきれることは多くありません。

警察官も、自分の経験により、事故内容を捻じ曲げてしまうことがあります。

実況見分調書を後から訂正することはほぼ期待できません。

現場検証では、自信をもって、被害者の方ご自身の記憶を具体的に警察官に説明し、加害者などの発言が自分の記憶と違っていたら、毅然かつ冷静にその旨を伝え、実況見分調書に記録をしてもらいましょう。

(3)現場検証はできる限り早くに

警察の現場検証には、出来る限り事故直後に立ち会いましょう。記憶はすぐに薄れてしまうからです。

救急車で病院に運ばれた場合でも、後で警察が再度現場検証をして立ち会わせてくれます。

ケガをしたことが数日後に発覚したら、診断書を警察に提出してください。

物損事故から人身事故に切り替えることで、再度現場検証をして実況見分調書を作成してもらえます。

(4)自分でも現場の状況を記録しておく

事故直後の現場の状況を、スマートフォン・携帯電話などで撮影・録画して、記録しましょう。加害者や目撃者の事故直後の言動も同様に記録してください。

警察が到着する前に、加害者が自動車を動かしてしまう、または、事故当時の天気や周囲の明るさなどが変わってしまうことがあります。

加害者や目撃者の言葉を録音しておけば、警察官に加害者の嘘や目撃者の証言のあいまいさを伝えることができます。

現場検証への立ち合いが事故から数日経過してからになった場合にも、大事な資料になります。

実況見分調書の訂正は難しくても、他の客観的な証拠があれば、実況見分調書の間違いを証明することもできます。

4.症状固定のタイミングに注意

交通事故によるケガの症状がそれ以上回復しなくなる「症状固定」の適切で妥当な時期を想定して通院期間を決めることは、請求できる金額を増やし、また、損害として請求できない出費を減らすために重要です。

症状固定の時期がいつかは、基本的に担当医の判断が重要な基準になりますが、必ずしも医学的な判断に縛られません。

症状固定は、その前についてはケガの治療費などを、後については後遺障害に関する損害を賠償請求できるというように、交通事故による損害賠償請求の仕組みの基準となる法律上の概念であるためです。

要するに、症状固定の時期はどうしてもあいまいで、担当医や保険会社、裁判になれば最終的に決定する裁判官で、認定される時期が異なってしまいます。

ですから、保険会社の言いなりになったり、逆に、担当医の指示を尊重しないと、損をすることになるおそれがあります。

(1)一括払いが打ち切られても通院する

加害者側の任意保険会社は、治療費の支払いを抑えるために、被害者の方に、本来よりも早くに症状固定がされたとして、一括払いを打ち切ることがあります。

一括払いが打ち切られ、治療費を自分で支払わなければならなくなったからというだけで、通院を止めないでください。特に、担当医が、まだ症状は固定していないと言っているのなら、担当医の指示に従い、通院を続けましょう。

通院を中断し、また、期間が空きすぎれば、治療費が支払われないおそれがあります。

また、後遺障害の認定でも、症状固定までの期間が本来より短いと、後遺症は残っていないとか、後遺障害といえるがさほど重くないと認定されてしまう可能性があります。

健康保険は、交通事故による通院でも、「第三者行為による傷病届」を健康保険組合などに提出すれば、利用できます。

弁護士に依頼した後に、示談や裁判で、症状固定日が保険会社の主張する日よりも後になれば、一括払い打ち切り後の治療費なども支払ってもらえます。

(2)担当医の判断で通院を終える

担当医から症状は固定されたから治療の意味がないと言われたのに、強引に通院をすることは控えましょう。

症状固定日以降の治療費は、ほとんどの場合、損害賠償請求に含まれません。不要な出費をして損をすることになってしまう可能性がとても高いのです。

なお、担当医から症状固定になったと言われても、リハビリなどの治療が必要ならば、通院を続けてください。

可能性は高くありませんが、裁判所が、担当医の判断した日よりも後の日を症状固定日と判断すれば、治療費が支払われることはありえますし、また、後遺障害等級認定の結果を再審査する手続である「異議申立」で必要になる未提出の新しい証拠づくりに役立つことがないわけでもありません。

5.弁護士に依頼する

交通事故の損害賠償金では、弁護士に依頼することで賠償金額が上昇する確かな根拠があります。

なぜなら、損害賠償の金額を定める基準が、辯護士へ依頼することにより増えるからです。

(1)交通事故における損害賠償の三つの基準

交通事故における損害賠償の基準には、①自動車損害賠償責任保険の基準、②任意保険の基準、③弁護士基準(裁判基準とも言います)の3つがあり、下に行くほど高額になります。

加害者側の任意保険会社は、被害者の方が弁護士に依頼しないと①か②の基準による低い金額で支払いをしようとしますが、被害者の方が弁護士に依頼すると、自分も弁護士に依頼しなければならなくない事態、つまり、裁判にならないよう、③の基準に近い、より高額な金額を提示する可能性が高くなります。

このように、弁護士に依頼すれば、ほとんどの場合は請求できる金額が増えます。

しかし、弁護士に依頼すれば弁護士費用が掛かります。弁護士が付いても、想定外の不利な証拠が現れたために、さほど請求額が増額できなかったときは、かえって費用倒れの赤字になるリスクがないわけではありません。

そのリスクを無くすることができる重要な制度が、各種保険の弁護士費用特約です。

(2)弁護士費用特約

弁護士費用特約とは、交通事故の弁護士費用を保険会社が支払ってくれる保険の特約です。2019年現在の一般的な相場としては、法律相談は年10万円、その他なら300万円まで保険会社が支払いをしてくれます。

弁護士費用特約を利用することができれば、まず費用倒れになることはないでしょう。

弁護士費用特約を利用する際には、

  • 弁護士との契約などの前に保険会社に連絡して承諾を得る必要があること
  • 保険会社により弁護士費用の計算基準が異なる場合があること
  • 保険会社が一部の弁護士費用の支払いを拒否し、弁護士費用が支払い上限額に届かなくても、一定額の弁護士費用の負担が生じる可能性があること

などの点にご注意ください。

6.交通事故の損害賠償請求は弁護士へ

交通事故で請求できる損害賠償金の金額を少しでも高額にするには、事故直後から病院や警察、保険会社に対して、素早く的確な行動が必要になります。

実際のところ、交通事故に遭ってケガをしてしまっただけでも大変なのに、そんないろいろなことを気にしなければ、十分な賠償金を手に入れられないなんて…とお嘆きになる被害者の方も少なくないでしょう。

弁護士に依頼すれば、それだけで損害賠償の基準が上がります。また、担当医に確認すること、伝えるべきことや症状固定のめどについても助言をもらえるでしょう。

加害者側の任意保険会社などとの対応を、被害者の方ご本人に代わりすることができるのも弁護士だけです。

後遺障害の認定は、交通事故に関する豊富な経験と知識が必要ですから、しっかりとした認定をご希望であれば、弁護士に手続を依頼すべきです。

費用についても、弁護士費用特約を利用することができれば、費用倒れの心配はほとんどありません。

泉総合法律事務所には、交通事故の経験が豊富な弁護士が多数在籍しております。皆様のご相談をお待ちしております。

無料相談受付中! Tel: 0120-442-260 平日9:00~22:00/土日祝9:00~19:00
0120-442-260
平日9:00~22:00/土日祝9:00~19:00
メールでお問い合わせ