刑事事件

強制わいせつ罪で家族が逮捕!?逮捕後の流れと対応方法

近年、性犯罪に対する目は厳しくなっており、法改正も行われています。

強制わいせつ罪で平成29年に検挙された数は4,320件ありましたが、認知件数は5,809件となっており、検挙率は74.4%です。前年に比べると認知件数は下がっているのに対し、検挙数は上がっています。

強制わいせつで家族が逮捕されてしまったら、何をすべきか、どうなるのかわからず不安でいっぱいでしょう。ご家族の方は非常に困惑されることと思います。

今回は、強制わいせつ罪の罰則、逮捕されるケース、逮捕後の流れと家族ができることをお伝えします。

1.強制わいせつ罪の刑罰と逮捕される事情

まずは、強制わいせつ罪がどのような場合に成立し、どのような刑罰に問われる可能性があるのかを理解していきましょう。

(1) 強制わいせつ罪

強制わいせつ罪は、暴行・脅迫を伴うわいせつ行為をした人が処罰される罪となります。刑法176条では以下のように規定されています。

“十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。”

強制わいせつで逮捕されると、6ヶ月以上10年以下の懲役に処される可能性があります。罰金がないため、非常に重い罪です。

初犯の場合、起訴されないケースや起訴されても執行猶予が付くケースもありますが、実際の行為の内容によっては実刑もありえる罪です。

強制わいせつ罪では、「暴行又は脅迫」が成立要件となっていますが、皆さんが想像するような「相手を殴る・蹴る」などの行為が伴っていなくとも、相手の反抗を著しく困難にするものであれば成立要件を満たします。
具体的には、相手の同意なく、胸や性器を触るなどの行為です。

同意なくわいせつな行為を行うこと自体が、著しく抵抗を困難とする行為であり「暴行」と考えることができます。
仮に、わいせつ行為をした相手が13歳以下であった場合は、同意の有無を問わず同様の罪に問われます。

(2) 逮捕されるケース

強制わいせつ罪で、実際によく逮捕されるのはいわゆる痴漢行為によるものです。
具体的には、以下のようなケースとなります。

  • 電車内で下着の中に手を入れる痴漢行為を行った
  • 痴漢行為で服の上から触ったが、長時間で悪質だった
  • 性器を露出して被害者を追い回し抱きついた
  • 電車で知らない人にいきなり抱きつき身体を触り、キスをした

痴漢行為では、迷惑行為防止条例違反で逮捕される人が多いのですが、悪質な行為態様であった場合には、強制わいせつ罪として逮捕されてしまいます。

2.強制わいせつ罪で逮捕・勾留された後の流れ

次に、強制わいせつ罪で逮捕された後の流れと実刑の可能性についてご説明します。

(1) 逮捕・勾留・起訴・裁判までの流れ

逮捕、取り調べ

強制わいせつ罪で逮捕されると、警察署で取り調べを受けます。警察は、法律上、被疑者の身柄を48時間以内に検察庁に送致するか、一旦解放するかを決めなくてはなりません。

そのため、いずれにしても2日間は家に帰れない可能性があります。

勾留請求

検察庁に事件が送致され、被疑者の身柄が引き渡された場合、検察庁でも取り調べを受けます。この時点から24時間以内に勾留請求が行われるかが決定されます。

逃亡や証拠隠滅の可能性があると考えられる場合は検察官が勾留請求し、裁判官が勾留を決定します。勾留期間は原則として10日間です。勾留が延長されれば、さらに最大で10日間拘束されます。

検察官によって勾留請求がされないか、勾留が認められなければ、一旦被疑者の身柄は解放されます。ただ、身柄が解放されたとしても捜査は続行し、事案によっては起訴される可能性もあります。

起訴・不起訴の決定〜裁判

最終的に、起訴・不起訴が決定され、勾留されていたとしても、不起訴となれば無事釈放されます。

起訴が決定すると、通常は起訴から1ヶ月半程度で第一回目の裁判が開かれ、最終的に有罪・無罪の判決を受けることになります。

勾留中の事件であっても、被害者との示談が早くまとまれば、早期釈放の可能性も高まり、事件の内容にもよりますが、不起訴処分や、起訴された場合でも執行猶予となる可能性が高くなるでしょう。

(2) 強制わいせつ罪で実刑の可能性

強制わいせつの場合は、どのような行為を行ったのかによって起訴の可能性や実刑の可能性が変わってきます。

やはり行為の悪質性が高いと判断された場合には、起訴の可能性も実刑の可能性も上がります。

悪質性の高い行為の例としては、直接性器や胸に触れるような行為を行った場合や、わいせつ行為の時間が長かったケースなどが挙げられます。

示談が早期にまとまれば、不起訴処分の可能性もありますが、初犯ではなく再犯である場合や逮捕されていない類似事件が多数発見された場合などは起訴される可能性が高くなるでしょう。

起訴された場合には、強制わいせつ罪では罰金刑がないため、有罪となれば執行猶予が付かない限り、懲役刑の実刑が科せられることとなります。

そのため、事件によって受ける不利益を最小化しようと思えば、起訴前に示談を成立させることが重要です。

3.家族ができること

最後に、逮捕・勾留された場合にご家族ができることをお伝えします。

(1) 家族から弁護士への相談・依頼

家族が強制わいせつ容疑で捕まったら、家族にできることは、まずは弁護士に相談することです。

「国選弁護人がつくのでは?」と考えている方も多いと思いますが、国選弁護人がつくのは勾留状が発布された後か、起訴が決まった後となります。
それまでの間は、私選弁護人を選ぶ必要があります。

逮捕直後に示談がまとまれば、勾留前に釈放となったり、不起訴となったりする可能性も出てきます。
しかし、弁護士を通さずして示談を成立させるのは一般的にハードルが高いといわれています。

特に性犯罪の被害者は、一般的に加害者の家族や本人と連絡を取ること自体を拒否します。
精神的な負担が大きいためと考えられますが、無理に連絡をとろうとすると「脅迫した」とも、とられかねません。

そのため、ご家族が一番にできることは、まずは弁護士を選任することなのです。

(2) 家族が弁護士を通してできること

逮捕後すぐに弁護士に相談すれば以下のことが可能となります。

  • 本人と面談し取り調べのアドバイスができる
  • 心配する家族の言葉を伝えられる
  • 本人、家族含めて今後の流れや見通しがわかる
  • 今後の対策が立てられる
  • 示談交渉がスムーズに進む

弁護士に依頼すれば、取り調べや今後の見通しなどのアドバイスを受けることができます。

また、弁護士であれば、示談交渉に応じてくれる被害者の方も多いため、示談成立までの道のりが短くなる可能性が高まります。
示談交渉が早くまとまれば、その分勾留回避や不起訴の可能性も高くなるのです。

このように、弁護士に相談・依頼すれば処分によい影響を与えることが可能です。

(3) 勾留請求後に弁護士ができること

勾留請求後であっても、弁護士としては以下のことができます。

  • 勾留決定に対する不服申し立て(準抗告)や取消しを求める
  • 起訴決定までに示談交渉し、不起訴処分へと導く
  • 起訴後でも執行猶予がつくための弁護活動を行う
  • 量刑ができる限り軽くなるよう手を尽くす

このように、勾留請求後であってもまだできることはたくさんあります。勾留請求後でも弁護士に依頼し、最善を尽くしましょう。

4.家族が強制わいせつ罪で逮捕されたら弁護士にご相談を

家族の突然の逮捕に困惑されているのは当然です。しかし、刑事事件の解決はスピードが勝負となります。
早くご依頼いただければ、弁護士としてできることも多いのです。

国選弁護人であってもベストを尽くしてくれるのは間違いありませんが、国選弁護人との相性が悪いケースもあります。
刑事事件は一生に関わることですので、信頼できる弁護人を選びましょう。

泉総合法律事務所は、刑事弁護に精通した弁護士が示談交渉を行います。ご家族やご本人にとって最善の結果となるようにサポートいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。

参考文献:法務省犯罪白書平成30年

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