刑事事件 [事例9]

職場の女性に好意を持ち、女子トイレにカメラを仕掛けて盗撮⇒不起訴

30代男性
罪名結果
盗撮 不起訴

背景

Aさんは、職場の同僚の女性に好意を持ち、いつしかその女性のことを盗撮するようになってしまいました。
そして、Aさんは職場のトイレにカメラを仕掛け、2年間もその女性を盗撮し続けます。

ある日、たまたま女子トイレの換気扇が壊れたため、職場の管理者が換気扇の奥を覗くと、Aさんの仕掛けたカメラが見つかりました。
職場の管理者はすぐ警察を呼び、Aさんは警察に同行して事情を聞かれることになってしまいました。

対応

Aさんは、警察から解放されてすぐ、被害者の方と示談して欲しいとご自身で相談に来られ、依頼を受けました。

依頼を受けてすぐ、検察官に連絡し今回の事件で検察官の考える被害者は誰かを確認しました。というのも、今回の事件は捜査されている罪名が建造物侵入であり、法律上の被害者は会社になりますが、事実上の被害者は職場の女性であり、本件の解決のために誰と示談するべきなのか確認する必要があったからです。

検察官からは、会社と女性両方と示談するよう指示がありました。そこで、会社・女性と同時並行で示談交渉を開始しました。

Aさんの盗撮は2年もの長期間に渡る行為だったことや、示談相手が複数になるため、示談金が高額になりうる可能性がありました。
そこで、事前にAさんにある程度高額な示談になることも了承してもらいました。

示談交渉ではまずAさんの謝罪の気持ちを丁寧に説明し、Aさんの反省を分かってもらうため、何度も会社に足を運びました。その後、あらためて金額の交渉を行いました。

最終的には会社と女性双方ともAさんの反省を理解してくれ、高額の示談金を払わなくとも示談に応じてくれました。

結果

結果として、不起訴となりました。

今回は長期に渡る盗撮行為だったため、被害者の怒りや嫌悪感は非常に強かったので、まずはAさんの謝罪の気持ちが形だけのものではないことを丁寧に説明するよう努力しました。
また、依頼者に出せる示談金の額にも限界があるため、なるべく示談金を抑えられるよう考えました。

今回は会社の職員間の事件でもあり、Aさんは既に会社から解雇されていたため、会社との交渉では、Aに対する解雇処分をもって示談金を不要にしてもらえないか交渉しました。
そして交渉では、会社の職員でもある女性により多くの補償として金銭を当てたいことも伝えました。

結果として会社との示談については示談金を支払わずにまとめることができました。

加害者の出せる金銭に限界がある以上、示談相手が複数いる場合、どのような割合で被害者に金銭を支払うのかは悩ましい問題です。

そのような問題がある場合でも弁護士に相談いただければ、何が最適なのかアドバイスすることができます。示談で困っていることがあれば、まずは弁護士に相談していただければと思います。

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